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  • 執筆者の写真Nori

シリーズ”I Love Nissan”(2)シルビア



ピニンファリーナがデザインしたと噂され、かのジウージアーロが日本車の中では最高のデザインと絶賛した流麗なスタイルをまとって、1965年初代のCSP311型が発売されてから、1999年1月販売の7代目S15型まで、常にパーソナルなスポーツクーペとして若者を魅了し続けたシルビアを見られなくなってしまって、もう15年が経ってしまった。


全く売れなかったS12の後継として、当時の本田プレリュード、トヨタセリカを真っ向勝負を挑んで1988年に登場したS13型は空前のヒット作となった。長野宏司のデザインによる流麗なデザインは、エレガントなデイトカーというコンセプトで女性人気を集めただけでなく、FF化したプレリュードやセリカに対して、FRを守り通して走りの喜びを若い世代に提供した事が大きかった。また、派生の車種として、180SX/200SXも登場し、北米でもヒット作となった。



プラニングセンターでは若い人達で意思決定


「やっぱり FR (後輪駆動)でいこう」、松富さん(商品企画室主査)が言った。1980年代の後半、僕は次期型シルビアのプラニングセンターの一員として論議に参加していた。


当時はホンダのプレリュード、トヨタのセリカが若者のデートカーとしてのいわゆる「スペシャリティカー」マーケットでそれぞれ月に7000~8000台ペースで売れまくっていた。それに対して日産の S12 シルビア/ガゼール姉妹車は全く人気がなく、月500台以下というありさまであった。


週末に、プラニングセンターの有志数名で、箱根のターンパイクにプレリュード、セリカ、S12シルビアの3台でダイナミック性能確認を兼ねてドライブを楽しんできた所だった。プレリュード、セリカとも、確かに魅力あふれるスタイリングと雰囲気を醸し出していたが、走りに関しては唯一 FR (後輪駆動)の S12 シルビアが勝ってした。タイトなコーナーを走り抜けるとき、車の挙動をコントロールする時のの直感的な感覚が楽しい。全員が「FRがいい」という感触をつかんでいた。


「福山さん(商品企画室主担)、よろしいですか?」と松富さんが福山主担に決心を求める。「君たちに任せる。これは君たちのクルマだから。」。このように、若いメンバーに意思決定を一任してくれた懐の深いプラニングセンターの中で、S13シルビアと180SXの企画は生み出されていった。


後輪駆動に加え、新開発のマルチリンクサスペンションに、スカイラインで開発されていた後輪操舵システムの HICAS を搭載し、エレガントなスタイリングをまとった、走りの楽しい商品に仕上がった。


甦れシルビア!


軽快なスポーツ走行を手軽に楽しめるFR車を、手の届く価格で、得ることができた希少な車でもあり、今もその復活を待ち望む人は、大変多い。シンプルな内装であっても、愛着の湧くそのエクステリアデザインは、止まって眺めて良し、横を走り去る姿を見ても良し。気取りのないスポーツ美人のような、アスリート系の流れるような無駄のない引き締まったボディと、軽量で、フットワークの良い適度な動力性能とシャシー性能を持つ新シルビアの復活登場を大いに期待したい。



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