• Nori

シリーズ "I Love Nissan"(1)

更新日:4月2日


Be-1誕生 1985年の東京モーターショーの日産ブースに黄色いカボチャの様な形をした可愛いクルマが現れた。その名も日産Be-1。当時、新車と言えば、ツインカム、ターボ、XX馬力、マルチリンクサスペンションなど、動性能で競合他社車を凌駕する競争に明け暮れている中で、見た目のデザインだけでこれだけ人の目を引くクルマは逆に新鮮だった。僕は、その黄色いBe-1の前で、時間が経つのも忘れ、ただただその形に魅了されて立ちすくんでいた。



発売後、30年を経てもなお色褪せないデザインの斬新性、秀逸さは、今でも素晴らしい。丸を基調としたエクステリアデザイン、内装デザインの完成度は高く、当時のデビューは衝撃的であった。わずか1万台限定生産で180万円の価格で発売されたBe-1はたった2か月で完売した。あまりの人気で中古車市場は高騰し、一時は販売価格の二倍で取引された。 当時、日産自動車商品主管の清水潤氏とデザインの渋江建男氏から、「これまでのカーデザインの常識を覆す様な提案をお願いしたい」と依頼を受けたウォータースタジオの坂井直樹氏が手掛けたと言われる。当時ウォータースタジオ活動していたファッションビジネス業界はIT産業のような新興産業だったが、重厚長大と言われた自動車産業とは全く反対の価値観にある産業からの視点からの斬新な提案を実際に採用し、量産まで実現した当時の日産自動車の懐の大きさを改めて認識することができる。 このBe-1の成功を機に、日産はその後、Pao、Figaro、Rasheenなどのパイクカー商品群を順次発売し、一世を風靡した。 収益にはほとんど貢献せず、むしろ赤字車種だったと後から聞いたが、当時の日産の懐の大きさを感じる出来事だった。単一プロジェクトとして収益的には決して成功だったとは言えないものの、先見性のある取組だったと推察できないだろうか。

BMWが英国のミニを買収して、確固たるプレミアムブランドとして復活させ、フィアットも500(シンケチェント)シリーズで丸くて可愛い高級車ブランドを訴求している。何かに似ているようで何にも似ていない、Be-1 コンセプトをという財産を使って、日産もプレミアム・ミニの領域にチャレンジするべきではないか。Be-1 を核に「Be」ブランドを確立すれば、スポーツカーの「Be-S (Sports)」や SUV の「Be-X (Cross)」など、新しくエモーショナルな商品展開も可能であろう。