イチジクの季節がやってきましたね。今回はイチジクタルトをご紹介します。
とは言いますが、実のところ、私は長い間肉厚で甘いイチジクにあまり関心がなありませんでした。むしろ苦手な果物でした。
数年前、庭に大きなイチジクの木があり、そこにはびっくりするほどたくさんの実がなりました。周りの方々にお裾分けをしても、地面にはイチジクとスズメバチが散らばってしまうほど…。
当時の私は、シナモン入りのイチジクジャムを試したことがなかったのですが、それを試して以来、私は以前のようにイチジクをダメにすることがなくなりました。
そして、数十年経った今、私は生のイチジクが大好きです。
今日はイチジクのパイ、昨日はイチジクとトマトの生チーズケーキ、イチジクのフルーツケフィアウィ…といった具合に、とても好きになったのです。何年もの間、私のレシピにはなかったイチジクが、いきなり頻出するようになりました。
*インターネットでイチジクタルトのレシピを検索すると、乾燥イチジクタルトを使ったタルトがよく出てきます。それもいいと思いますが、どちらかというとfigolu(イチジクフィリングが入ったお菓子)に近い感じに仕上がりますね。
スパイシーなイチジクタルト
今年の夏は、干ばつの影響によりイチジクタルトを作れないと思っていました。というのも、7月になるとイチジクの大きな葉が黄色くなり、実も小さくてとても硬くなっていたからです。
このようなイチジクタルトについて抱いた思いは、誰もが理解してくれるのではないかと思います。というのも、異常気象は年々悪化しているように思いますから…。アーモンドの木は、真夏なのに錆びたような色になっていましたし…。
そのような光景をみると、「このままではいけない」と思うのです。でも、私たちが思う以上に、生き物の生命力とは、驚くべきものなんですよね。心配していた植物たちは、信じられないことに、雨が降った途端に息を吹き返したのです。
本当に、自然の回復力には驚かされます。これまで何百年もの間、子孫を残してきたように、ここぞという時を見逃さず、繁栄のための手解きがなされるのですから。
私はいつも自然へ畏敬の念を抱き、そして感動しています。人間が愚行に走ることはあっても、そのよう中でも、多様な生き物がいるこの世界に絶大な尊敬と深い共感を抱いています…。
イチジクタルトを作る際、そのようなことを感じていました。幸いなことに、イチジクの木は、イチジクタルトを楽しめるだけの実をつけることができました。しかし、ジャムのことはひとまず忘れることにします...。
それでは、こちらがスパイシーなイチジクタルトのレシピになります。生地にアーモンドパウダーを入れたり、お好みでアレンジもできますので、ぜひ参考にしてみてください。
新鮮なイチジクのタルト(4~6人分)
準備時間:20分
調理時間: 25分
休止時間(オプション):1時間
【材料】
●小麦粉(または小麦とアーモンドを混ぜたもの):260g
●ビーガンバターやココナッツオイル:120g
●全粒粉糖(またはきび砂糖):大さじ1
●冷水:70ml
●塩:1つまみ
【フィリングの材料】
●イチジク(生):350g
●スライバーアーモンド:70g
●オレンジまたはレモン果汁:½個分
●シナモン:1つまみ
●おろしたカルダモン:1つまみ
●全粒粉糖(または黒きび糖):30g
●コーンスターチ:小さじ1
【イチジクのタルトの作り方】
(1)タルトの生地を準備する。大きなボウルに小麦粉、塩、砂糖を入れる。粉体をよく分散させるように混ぜる。次に、指先で混ぜながらバターを少しずつ加えていく。
(2)ここで少量の水を加え、生地がなめらかになるまでこねる(場合に応じて水を全部入れなくても、逆に少し多めに加えても良い)。生地ができあがったら、ボール状に丸め、ラップで包み、涼しい場所に1時間ほど置いておく。
(3)熱したフライパンで、フレーク状のアーモンドを数分間ローストしておく。
(4)オーブンを180°に予熱する。1時間寝かせておいた生地を、タルトの土台に使うものと、格子柄に使うものとに分ける。タルトの土台に使う生地は、小麦粉を塗った作業台の上で、約0.5cmの厚さに伸ばし、油と小麦粉を塗ったパイ皿にのせる。
(5)イチジクを洗って乾かし、半分に切る。それらをオレンジの果汁と一緒に小さなボウルに入れておく。
(6)シナモン、カルダモン、コーンスターチ、全粒粉糖をボウルに入れて混ぜ、イチジクの上にかける。これらでコーティングされたイチジクをパイ生地の上に置き、フレーク状のアーモンドを散らす。
(7)タルト土台の生地と分けておいたもう一方の分を、小麦粉をまぶした作業台の上で0.5cmの厚さに伸ばす。生地を1.5cmの短冊状に切り、イチジクがのったタルト生地の上に縦と横の短冊を交互にし、格子模様を作りながら並べていく。
(8)オーブンに入れて30分ほど焼く(オーブンによって時間が異なるので、様子を見ながら作業を進めるようにする)。いちじくタルトに火が通ったら、冷ましてから食べる。
以上が、スパイシーなイチジクタルトの作り方になります。イチジクがたくさん手に入った際には、ぜひ試してみてくださいね。
校正Erika
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