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オーガニック - ワインの未来

更新日:2021年12月15日

世界中で益々有機栽培の製品を消費する人が増えている中、ワイン製造業者もついにその流れに乗ってオーガニックワインを作るようになりました。環境にも消費者にも配慮があるオーガニックワインと通常のワインとの違いは何か?オーガニックワインの見分け方は?オーガニックとナチュラルの違いとは?今回はこのような質問にお答えしていきたいと思います。


(ここではフランスやヨーロッパのワインについて書いていますが、それ以外の国の規制等については言及していません。国によってはオーガニック製品に対する特定の規制がない場合もありますのでご注意ください。)


Vineyards in Mercurey, Burgundy, France
Vineyards in Mercurey, Burgundy, France

オーガニック ワインとは


オーガニックワインは環境や人々の身体に優しい製法で作られています。 オーガニックワインの認証を受けるためには、ワインメーカーは厳密な規定に従わなければならないのです。まず気をつけなければならないのは、ほとんどの大手ドメーヌ(醸造業者)では、オーガニックワインを一部生産している一方で、残りの生産量は通常のワインを生産しています。通常のワインはオーガニックに比べ、一般的に品質が劣ることを示しており、このようなワインメーカーはトレンドを追うためにオーガニックワインを提案しているだけで、誠意を持って取り組んでいるわけではありません。この点を確認するためにも、ドメーヌで販売しているワインの全ラインナップをご覧になることで、ワインメーカーの生産への姿勢を窺うことができるでしょう。


オーガニックワインを生産することは、ワインメーカーにとって長くて難しいプロセスです。そのため、価格も少し高めに設定されています。通常のワインとの違いは、主にプロセスにかけられる手間と、生産過程に生まれるリスクに起因しています。そこで、その具体的な理由についていくつかのポイントに絞って説明したいと思います。



オーガニックワインを作るための農地改革


何十年もの間、化学製品を吸収してきた大地をデトックスさせるためには、いくつかのステップを踏む必要があります。 完全な工程を終えるためには 3 年の月日がかかります。その過程の主な部分がブドウの木に自然の製品を使用することです。このプロセスにより、ワインメーカーは、ブドウの木が新しい有機製品に予期せぬ反応を示し、生産の一部が失われる可能性があるため、リスクが伴うのです。


さらに、化学薬品の使用が禁止されているため、この過渡期には、環境の変化に適応するためにブドウの木が弱ってしまいます(虫による被害や病気が蔓延することにより生産量が減ることがあります)。化学薬品を使わないということは、それだけブドウの木を大切にするということでもあり、ブドウ畑での作業も増えることになります。そのためには、より高度な技術が必要となり、作業員のトレーニングも必要となります。最後になりましたが、化学製品の使用量が減れば、生産量は増えますが、同時にこのようなプロセスでは生産量が減流のです。


左:化学製品を使用したブドウ園、右:オーガニックブドウ園

*冬の間に撮影された写真


多くの果物がそうであるように、オーガニック栽培を行うと、ブドウのサイズは小さくなりますが、品質は高くなります。しかし、オーガニック栽培のプロセスでは、ブドウ畑だけ出なく、醸造の過程でも多くの規定に従う必要があり、ここでも化学物質の使用は禁止されています。しかし、中には化学物質を大量に使用したワインもあります。主に使われているのはSO2(サルフィット)と呼ばれるもので、ワインの味のバランスをとるのに重要なものです。硫化物には様々な種類があるのですが、オーガニックワインの場合、硫酸塩の使用には制限があります。面白いのは、ワインを飲むと頭が痛くなるのは、このSO2が原因だということです。オーガニックワインを飲めば、頭痛とはおさらばできますね。




オーガニックワインを識別する方法


このルールを守るためのラベルがいくつかあります。これらのピクトグラムをボトルにつけるためには、研究所でワインの品質の管理がなされ、専門家が毎年ブドウ畑を訪れ、すべての規則が守られているかを確認する必要があります。この2つのマークを覚えておけば、オーガニックワインを簡単に見分けることができるようになります。


AB (organic agriculture): French certification Eurofeuille (euro leaf): European certification


ナチュラルとオーガニックの違い


「ナチュラルワイン」は、この数年で徐々に流行していく新しい種類のワインです。公式な規制はまだないので、これらについては十分に注意する必要があります( Demeterのようなラベルはいくつかありますが、まだ正式に採用されていません)。オーガニックワインとは、オーガニックベースの製品を使用していることを意味します。例えばSO2(二酸化硫黄)については、非常に少量で、しかもオーガニックのものだけを使用しています。自然派ワインとは、ブドウ畑でも醸造中でも、一切の添加物を使用していないワインのことです。つまり、品質や味のコントロールができないということです。人の手をできるだけ加えずに、自然な形でワインを味わうことができるのです。


正直に言うと、私はこれまでにおいしい自然派ワインを味わったことがありません。すべての自然派ワインが良くないと言っているわけではありませんが、より良い品質を得るためには、明確な規制とプロセスが必要だと思うのです。もし、あなたが素敵な自然派ワインを知っていたら、ぜひ教えてください。



オーガニックワイン=未来


オーガニックワインは、地球にも健康にも良いものであることはご理解いただけたと思います。世界中の有機農業と同様に、このテーマに真剣に取り組んでいるワインメーカーも増えてきました。機械の代わりに馬を使ったり、人の手だけで収穫したり...自然の道具を賢く使うことも増えています。例えば、虫除けのためにバラを畑に植えたり、同じ理由でてんとう虫を使ったりと…。


また、オーガニックワインの消費量も増えています。フランスでは、ワイン消費者の3人に1人がオーガニックワインしか飲まないと言われています(2019年調査)。しかし、移行には長い時間と多くの手間が必要なため、2019年のフランスにおける有機栽培のブドウ畑の面積は230万ヘクタールに過ぎません。これは、国内の爆発量では8,5%ですが、収益面では11%の市場シェアを占めています。



これでもうあなたは専門家ですね。ブラインド・テイスティングをしてみませんか?オーガニックボトル 1 本と通常のボトル 1 本。オーガニックワインの品質が大幅に優れていることがわかると思います!

Chardonnay Grapes
Chardonnay Grapes

校正Erika

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